さ。キューブリックです。
われらサブカル"こじらせ"クラスタはね...
『時計じかけのオレンジ』に関しては、誰もが通る道なんです。
なんだったら今度中央線に乗ったとき、車内で少し注意してみてよ。
アレックスTシャツ着てるお兄ちゃん、だいたい高円寺で降りるから。
しかもお気に入りすぎて着すぎて洗濯しすぎて、くったくたになってるから。
だけど、こないだ「メジャー作も観る!」って豪語しちゃったしね...
今回は『2001年宇宙の旅』。こっちでいきます。
Stanley Kubrick’s 2001: A Space Odyssey Trailer - In cinemas 28 Nov | BFI release
言わずもがな、名作中の名作ですが。
この作品は、以下の症状に効く!はず。たぶん
①カメラが趣味なんだけど、最近イマイチ構図がキマらない→Yes
②「それ猿の惑星じゃない?」って言われて、どきっとした→Yes
③椅子好き!イームズ好き!ミッドセンチュリーだぁい好きー♡→Yes
用法・用量を守って正しくお使い下さい。
その心は...
写真の構図がかっこよくなる「可能性」があります
キューブリックといえば...一点透視図法ですよね!
はーあ、うつくしい...。
いちいちこんなびしーっ!とした画を撮るんだから、そらぁ完璧主義者だろうさ。
しかも彼の画のかっこよさって、「消失点こだわり」だけではないんですよね。
若かりし頃のキューブリック、カメラマン時代にこんなの撮ってます。
ね?ほら。いいでしょう?(※自慢げ
やれ無重力状態ではーとか、影の写りこみがーとか。
SFってどうしても、宇宙のシーンのメイキングが気になるところですけれども。
序盤の類人猿のシーン*1だって、相当すごい。
1コマ1コマの構図がびしーっ!と決まっていて、ネイチャーフォトの教科書のよう。
流しでも、きれい。止めても、きれい。
そんなキューブリック君です。ぜひ、よろしくお願いします。
『猿の惑星』の記憶との区別ができます
当然ながらわたしも含め、です。
どれどれ。おさらいしてみようか。
猿が人間を支配してるのが、『猿の惑星』。
HALが人間を支配しているのが、『2001年宇宙の旅』。
続編もいっぱい出てるのが、『猿の惑星』。
一応出た*2けどイマイチ知られてないのが、『2001年宇宙の旅』。
エンディングで「...どこ?」ってなるのが、『猿の惑星』。
エンディングで「...誰?」ってなるのが、『2001年宇宙の旅』。
...うん。これ忘れた頃にまたやろう。
ミッドセンチュリーのカタログ的なときめきがあります
↑これですこれ!この赤いの!!!
もうやだラブチェアとかめっっっちゃかわいいいーーー
正確に言うとこの椅子はイームズ作ではなく、名前もDjinn Chairっていうらしいです。
でもこの映画1968年公開だから、年代的にはほぼ同じだよね。
かわいいといえば、他にもね。
ホテルヒルトンのフロント嬢の制服とか、船内のCAの制服*3とか。
公衆電話だって、そうだよ。
レトロフューチャー的で、とってもかわいい。
スペースポッドの造形も、すごい飼いたくなる感じ*4。
完全なるケミカル素材だろうに、あたたかみのある白なんだよね。
材質も、なんなら少し触りたくなるような質感で。
あと、HALの声が合成音声じゃないところとか...
無機質なはずのものにも、何らかのぬくもりを残してあるところ。
もしかすると約60年前の想像力では、この辺りで限界なのかもしれないけども*5。
ちょっと、うるっと来るんだよね。
その他、雑感
■果たして難解なのか?これ
「わかりにくい」「むずかしい」「結局何だったのよ!」
って感想は、当時からよく聞かれていたみたい。だけど
もしもこの映画が一度見ただけで理解されたのなら
われわれの意図は失敗したことになる。
(原作者アーサー・C・クラーク)この映画の意図するところは神である。
(監督スタンリー・キューブリック)
作ってる本人たちが言ってるんだから、しょうがないよね。うん!
今観ると...どうかなあ?
エヴァとかの方がよっぽど難解なような
もちろん、わかりやすくはないです。
もはや大したネタバレにもならないから、言っちゃうけどね...
・モノリスは、種の進化を見届ける「だけ」の存在である
・よって、スターチャイルドは、人類の進化形である
この2点だけ理解してれば、わりとイケる。ちゃんと、つながる。
あとはもう、意味不明なシーンは深追いしなくていいと思うんだよなー
冒頭、及び途中の真っ黒画面ね。
プレイヤー、壊れてないです。だいじょぶ!
ここ!「2、3分あるし、トイレでも行っとくか」のチャーンス!!!
あ。光の洪水映像始まった?
モノリスに取り込まれちゃってるから、出口まで長いんだよね...
ここ!「それでは10分間、しばしご歓談を」のチャーンス!!!
おもむろに休憩入るしね。
いいの、いいの。細かいこと、気にしなーい
■「こんな死に方は嫌だ!」の更新なるか?
一時期、中世の拷問にやたら興味があった*6時期があるんですよわたし...
うん!そこもサブカル"こじらせ"が皆通るよね!*7
でね。長らくわたしの中では
「生きながらにして、ねずみに腹を齧られる」
の刑が、不動の第一位だったのですけれども。
黄色い宇宙服の最期*8、あれもやだなー
めっちゃ苦しそうにしてたじゃん。
死後だーいぶ孤独だしなー。お墓とかどうしてくれんだよ?
うっかり浮かばれずに地縛霊にでもなっちゃったら、どうすんだよ?
化けて出てやるっつったって、なかなか地球人通ってくれないじゃん。
かーなーり、やだなーあれ
■とはいえ、だいぶ過ぎちゃったけどねー2001年
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「未来」ですらもう、去年終わっちゃったしね。
こういう「未来だけど、もう過ぎちゃった!」設定。
これからちょいちょい、目にすることになると思います。映画でも、小説でも。
現実と比較して、まだこれしか進化してないよーとほほ。でもいいんだけど。
もしかしたらこんな発展をした平行世界があるかも!
って思いで観るのも、ロマンがあっていいじゃないか。
いいよーパラレルワールド。ほら。流行りだし!
ちなみに2001年とは...こんな年だったようですよ?
年代流行より引用
15年前かー。こわ!