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うちのシナプスだって、本気出せば手をつなげる。

ごはんとお酒以外も上手に思い出せるよ!ということを証明する実験。尚、嫌いな作品をdisるほどのカロリーは残ってません。

『ショコラ(2000)』に関する記憶

そんな訳で、今回は『ショコラ』です。
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ラッセ・ハルストレム監督がジュリエット・ビノシュジョニー・デップ主演で描く愛のファンタジー。


古くからの伝統が根付くフランスの小さな村に、ある日謎めいた母娘がやってきてチョコレート・ショップを開店する。
厳格なこの村に似つかわしくないチョコだったが、母ヴィアンヌの客の好みにあったチョコを見分ける魔法のような力で、村人たちはチョコの虜になってしまう。
やがて村の雰囲気も明るく開放的なものになっていくのだが……。“甘い”のひとことで片付けるにはあまりに奥深いテーマ――人間にとって宗教とは、癒しとは何か――が語られる。

allcinemaより抜粋引用

公的にはこんなあらすじです。へー

尚、個人的にはこの作品、こんなときにおすすめ。

①なぜだかわからないけれど、ここのところチョコのことしか考えられない→Yes
②生まれる時代と場所を間違えたと感じている→Yes
③かっこいいおばあちゃん大好き!というか、なりたい!→Yes

その心は...

完全に「お口がチョコ」状態に

設定が1959年なので、今ほど種類は多くはないんだけど。
バーチョコ、タブレット、トリュフ、ガナッシュ、シェルチョコ、アマンドショコラ、チョコレートケーキ、ホットチョコレート...
一通り出てきます。どれもおいしそう。

作成シーンも出てくるんだけどね。
生クリームなんて、ほんのちょろりとしか入れない。
なので、今の主流の「甘くてなめらかなミルクチョコレート」ではなく。
けっこうビター感も強いんじゃないかな。

所詮、妄想ですけれども。

フレーバーもそんなに多くはないし、基本、シンプルです。
作り方*1も、造形も。

それから、チョコって本来こういうものだったのね。って思うような描写もちらほら。
あるときは、お薬であったり。
場所によっては、呪術に用いられる聖なる飲み物*2であったり。

あるいは、こんなシーンも。

「(お客の一人にチョコレートをすすめながら)
 グァテマラ産のカカオなの。1粒で情熱の虜よ?」
「うちの旦那を知らないから、言えるのよ...」
「効き目を知らないから、笑うの」

今で言う、マカ的な感じなのかな。
ちなみにこの旦那さん、この直後に20粒ぐらい一気食いしたからね。
やばいよもう...

情熱が止まらない。


ここがヘンだよムラ社会

このお話の舞台は、1959年のフランスの片隅にある小さな村とのこと。
とにかくもう、宗教と伝統でガチガチの閉鎖的なムラなんです。

しかもこの宗教観というのも、だいぶ偏っていて。
聖書の偏向的な独自解釈が、村民の常識として定着しているという

たとえばね...
「愛犬の死後、彼の魂を救ってくださるようにマリア様に祈る」

これ、アウトです。要懺悔な行為。

なんで?*3
動物を愛するとは、他の生物と仲良く暮らすというとは、いいことじゃないの。

他にもね...
戦死した夫のために、長年ずっと喪に服しているおばあちゃんも出てくるの。
再婚どころか、おつきあいどころか...

40年以上、異性との会話は必要最低限とか、はーあ?

ね?信じられないよね。

「たとえばもし、教会へ懺悔に行かなかったら
 もし、花壇の手入れをしなかったら
 もし、正直に...
 『三度三度きちんと食事の世話をしたり、夫の足を避けながら掃除をするなんて、もううんざり!
  もっとやりたいことがある!!!』
 なんて言ってしまったら、たちまち変人扱い」

しかもこの「変人扱い」ってのが曲者でね...
「あーあの子ちょっと変わってるからねー」ってぐらいでは済まないの。

たとえば、営業妨害されます。
たとえば、子どもが学校でいじめられます。
たとえば、DV夫がストーカー化します。
たとえば、住居を放火されます。

日頃のわたしたち、窮屈だよねー生きづらいよねーって思ってるけど。
生命を脅かされるとか、食うに困るとか。
それほどのことは、なかなか起きない。

今の時代に生まれてきた幸せ。
今のニッポンに生まれてきた幸せ。

ほんとはこれ、どこかで誰かが死ぬほど欲しがったものかもしれない。


かっこよく生きたいよ、死にたいよ

ほい。そこで、アマンドおばあちゃんの登場ですよ。
彼女はそうだな...ドーラに似ている。

食べたいもの好きなだけ食べて、飲みたいもの好きなだけ飲んで。
すんげー、口悪い。
グロ詩集を孫に与えて、これがいいんだよとか言っちゃう。

村人みんなが人目を気にして、はみ出さぬように目立たぬように。
禁欲的な生活を送っている中、

「しちゃいけないことなんて、そうはないさ」

堂々と、言い切っちゃう。
かなり異質な存在です。しかし、かっこいい。

やりたい放題、やっているようでいて。
然るべきところでは、愛する者を励ますために、ちゃんと言葉を使う。行動する。
それでトラブルが起こった場合は、きちんと責任をかぶる。愛する者の盾になる。
強くて、堂々としていて、きれいで...本当にかっこいい。

でもほんとは、こんなお店になんか入り浸ってちゃいけない体なんだよね...

「私の命だ、好きにさせとくれ
 お情けはご免だよ」

今でこそね...
医者に煙草やめろ、酒やめろって言われても絶対にやめなくて。
結局病気が悪化して、亡くなって。
そういうおじいちゃんおばあちゃんのこと、よく見聞きするじゃないですか。
周囲はもちろん辛いけど。
最後は「本人好きなことやったんだから、大往生かもね」ってなるじゃないですか。

ここではまだ、そういうのが許されない時代なんです。
お葬式のシーンとか、本当に胸が苦しい。

もっと幸せに生きられる時代と場所に転生してきてね!ばあちゃん


その他、雑感

■「おいしい幸せ召し上がれ」*4って、そこまで甘くもないよね

ラヴい展開も、そこまで重きを置いてない感じ。

しかし登場シーンが少ない中でも、さすがはジョニー。
相手に、魔法をかけるんです。ある台詞で。

あれずるい。ずるい仕掛けだ。
そんなん絶対、躍起になるじゃん。決まってんじゃん。

一方、ビノシュも負けてないよ?
たぶんこの頃の彼女は35、6ぐらいだと思うんですけど。

相変わらず、赤似合う。
相変わらず、デコルテきれい。

相変わらず、キスシーン喰われそう。


■お腹空きすぎると、人間ロクなことしないよねー

馴染みがなかったので調べてみました。
四旬節の節食、うーん...かなり厳しい。

わたしもプチ断食(!)*5ならやったことあるんだけど。
気がつけば食べ物のこと考えてるわ、めっちゃにおい気になるわ、体は冷えるわ...
けっこう大変でした。
それが40日続くとか...そらおかしくもなるさ。

だからレノ伯爵、ほとんどずっと大っ嫌いだったけど。
最後だけ、許したよね。

だって長年「勤勉、慎み、自己鍛錬」って、それだけを信じて生きてきた男ですよ。
その信条がガラガラと音を立てて崩れたら...

もう、いい!好きなだけ乱れなよ...。

したがって、アンリ神父の最後の説教もね。

「誰も伯爵を責めませんよ」って想いが込もっている、そんな優しい世界を妄想したいよわたしは*6


■サントラもいいよいいよー

差別表現を避ける意味からなのか、はっきり言い切ってはいないけれど*7
状況を判断するとルーたちはおそらく、ロマのような存在なんだと思います。
だから、音楽もダンスも、フラメンコとかマヌーシュとかフォークロアとかアイリッシュとかその辺りの要素が存分にあって。

つまり、わたしの大好物です。うふんうふん


01. Minor Swing

船上のシーンはどれも素敵。大好きー


■決してマネしないでください

そうそう、忘れないで最後にこれを。

作品中、何度か出てくるシーンですけどね...
わんこにチョコレートを与えるのダメ絶対!!!

犬がチョコレートを多量に摂取すると、嘔吐や下痢、多尿、興奮、発熱、不整脈、運動失調、筋肉のけいれん、発作などの症状が見られ、また腹痛や血尿、脱水を引きおこす場合もある。


犬の病気と健康大辞典より抜粋引用

いたずらとかで少しだけ、間違って食べちゃったってだけなら。
すぐ吐き出せば、平気みたいだけど。

あんなガンガンにあげたら、ダメです。
特に最近のわんこは体が小さいから、こわいこわい

フィクションだし、当時はこんなことあったのかも...ぐらいの気持ちでね。
約束だよー

*1:テンパリングは比較的ゆっくり。あ。それ大悟シェフに怒られるやつやー!って、どきどきどきどき

*2:触発された方のホットチョコレートを豆から作ったレシピがすごい!

*3:「動物には不滅の魂がないことは周知の事実なので、愛犬の冥福を祈るとは、神への冒涜である」とのこと

*4:たしか公開時のコピーがこんなんだったような

*5:言うても3日程度だけどね★えへ

*6:神父もそうだよ!存分にプレスリー歌うといいよ...

*7:少なくとも、日本語では