うちのシナプスだって、本気出せば手をつなげる。

ごはんとお酒以外も上手に思い出せるよ!ということを証明する実験。尚、嫌いな作品をdisるほどのカロリーは残ってません。

『シン・ゴジラ(2016)』に関する記憶

そんな訳で、今回は『シン・ゴジラ』です。

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もう、さんざんいろんなところで語られ尽くされているので。
特に目新しいことは書けないですごめんなさい。

これもね、実はね。
アップしようかしまいか、かなり躊躇したんだけど。
「わたしごときの感想なんて、きっとつまらないに違いないよ...」
と、終演後に親友と呑みながらうじうじしてたら。
「100人がシンゴジ観てたら、100通りの感想があっていいじゃない!」
と言ってくれたので、元気出た!

上げます。

わたしなんて過去のゴジラ作品を何一つ観たことがない、にわかです。
それどころか。
公開されるまでこれが庵野作品*1とまったく知らなかった類いの、にわかです。

だが、しかし。
にわかはにわかなりに全力でたのしんだ!

上げます。


『シン・ゴジラ』予告

エヴァだ!これエヴァだ!!!(※ストーリーをなにも明かす気がないところ含め

予告編2も、ありました


『シン・ゴジラ』予告2

エヴァだ!これエヴァだ!!!(※ストーリーをなにも明かす気がないところ含め

ゆえに、以下の気分のときにおすすめと考えます。

①ここ数年、映画館で映画なんて観たことが無い。→Yes
 パニックムービーと言えばハリウッドだよねーと思っている→Yes
②ここ最近、日本人であることに誇りを持てない→Yes
③石川さとみに特段思い入れは無い→Yes

その心は...

意外にも、話はシンプル

なにせ、監督が監督だし、予告はこんなだし。
もっと暗かったり、難解だったり、
観客に解釈を投げるラストだったりするのかなーとか思ってたんですけども。
意外にも、わかりやすかった。

ただその、わかりやすさ、というのがね...

なんだかんだで、結局ヒーローが救ってくれます。
というかそもそも、総理がヒーローです。
また、長谷川博己と石川さとみはとっくにくっついてます。
あるいは、長谷川博己には愛する家族がいて。
「I'll be back!」とかなんとか親指立てながら家を出てます。

といった、大味ハリウッド的なアレじゃなくて*2
「現代ニッポンにおいて、国を守るということは?」
というテーマのみ*3を描いています。ほとんど、ずっと。
これがまた、リアルなんだ...。

会議に次ぐ、会議

とにかくまあ、会議が多すぎる。長すぎる。
ものごと決めるまでの段取りが長けりゃ、肩書きも長いし。
チーム名も作戦名も、何もかもが長い。

でもこれぐらいやらないと、今のニッポンだと物事決められないらしく。
で、ようやく決まった!と思ったら、とっくに事態は悪化してるし。
後手後手なんですよ...この辺り、本当にリアル。
序盤は煮え切らないおっちゃんたちについ、苦笑い出ちゃうんだけど。
これがなんとも日本的なのね。

でね、おっちゃんたちも立派に総理だったり大臣だったりするんだけど。
ランドゥごときに「初動が失敗で残念」とか言われちゃう。

じゃあ、どうすりゃ正解だったのか?
わたしにはちょっと、わからない。

でも、さすがにやばい!と思ったのか。
おっちゃんたちの顔も次第にキリリとしてくるんだよね。

私は好きにした
君らも好きにしろ

どんな決断をしたとしてもたぶん、叩かれる。
作品の中ではほとんど出て来ないけどね*4
マスコミからも、国民からも、国際社会からも。
どっちにしろ、叩かれる。

私は好きにした
君らも好きにしろ

これすごく、勇気が湧いてくる言葉だと思うの。
今後、お守りにしたいぐらい。

「こんなとき、だからこそ!」

序盤でその、優柔不断から来る日本人特有のぐだぐだを描いた後で。
日本人の素敵なところも、ちゃんと出てくる。

ヤシオリ作戦決行前のランドゥの演説の中にもあったけれど。
「日本人の強さは、現場にある」というところ。

頼まれもしないのにおにぎりを配ってくれる、掃除のおばちゃんとか。
カップ麺ですら、毎回欠かさず「いただきます」「ごちそうさま」とか。
自衛隊の炊き出しカレーがめっちゃおいしそうなところとか。

礼はいりません
仕事ですから

それぞれが、それぞれ自分のできる分野で尽力していて。
そこの気持ちの込め方に、本当に頭が下がるのよ。

スクラップ アンド ビルドでこの国は立ち上がってきた。
今度も立ち直るだろう

随所に3.11を連想させる表現が多かったので。
終盤のこの台詞は強烈なメッセージ性があります。

そうあってほしい。
心から、そうあってほしい。

笑えばいいんじゃないかな

で、ね。
わりと不評な石川さとみの演技について、ですけれども。

わたしは石川さとみのこと、全然好きでもなんてもないし。
むしろ、メトロのCMを毎朝出勤時に観ている分、
彼女の顔を見ると仕事を思い出すという理由で、若干アンチ寄りですら、あるんですけど。

あの小鼻に漂う生意気な自信たあぷりな感じとか。
終始、帰国子女のそれっぽさを貫いていて、むしろ、好感持てたぞわたしは。

ただね...高飛車キャラなのは、わかったんだけど。
However,「40代で大統領狙える」ほどの大物っぷり*5は、
あまり伝わってはこなかったかなー?

出てくる役者に下手っぴぃはいなかった*6

キャラデザにも、仕掛けが

歴代から観ても、「怖い」*7らしいですね、今回のゴジラ
前脚が極端に短くて、尻尾がでかい。ごん太で超長い。

「尻尾?」
「ええ、尻尾ですね」

あの尻尾があるから。
鎌倉で、建物ギリギリのところをぶん!と舐めてくるアングルが超怖いし。
東京駅で、きれいに直立したまま沈黙している姿も、やたらと怖い。
いつまた動き出すか、わからない感じが。

あと、あの体表ね...
あの、赤々と透けて見える皮膚感。
歩く原子炉!って怖さが、ちゃんと伝わる。
だから紫に変わったとき、もっと怖くなる。

デザインにも、説得力があるんだよなー

第4形態が大暴れするところもね。
都内めちゃめちゃにされて、とても悲しいシーンなんだけど。
停電でどんどん深まる闇の中、ゴジラがぼうっと屹立しているところ。

不謹慎だけど、ため息が出た。
うつくしかった。不謹慎だけど

時間の使い方にも、仕掛けが

今回のゴジラは大変良い子で。
何度か、お休みしてくれるんですよね...。
だからその分、こちら側にも準備や検討の余地があったりします*8

助かるわあ

あと、設定が設定なもんで、けっこう息詰めて観ちゃうんですけど。
ちゃーんと息抜きできるように、クスッとくる台詞なども用意してあるんです。

助かるわあ

緩急の付け方、本当に巧いなーって

野村萬斎を探せ!

とにかく、登場人物が多い作品なもんで。
エンドロールがものっすごいことになってる*9
けど。

野村萬斎ってどこに出てたの?」

終演後にわたしも思ったし、後ろの席の女の子たちも言ってた。

帰ってきてからぐぐったら、鳥肌立ったよね...。
たしかに!
あれはたしかに!!!

ぜひ、映画館で!

わたしは一度目は、IMAXで。
二度目は、極上音響で。
観てきました。

IMAXの音は左右上奥から発せられる分、音に立体感があったような。
臨場感があって、リアル。
どの席に居ても同じように、リアル。

場所の差異が少なそう。

一方、極音は、ひたすらに音が良かった。
ものが壊れる音や攻撃の激しさとかも増長されていて。
ゴジラの怖さに凄みが出てた。ゴジラが動くと、腹にクる。
あと、役者って声がいいんだなあ...って、当たり前のことにも気づけました。

ただ、ここは一応、音は全部入ってくるんだけど。
場所によって聞こえ方に差があるかも。
わたしが座った席は、左のバランスが強めだった。

どちらが良い/悪いではなく。
これはもう、好みの問題。

また、IMAXでは通常版を、極音では字幕版を観たんだけど。
さすがにあれだけ早口だと、やはりだーいぶ落としてるとこはあったよね...*10
喋ってるところがわかりにくい人の台詞は、誰の言葉であるかが明記してあったのも、大助かりな仕様。

ただ、特に肩書き名とかがたくさん出てくる序盤だと、文字情報が多すぎて。
どこから見たら良いのか、慣れるまで大変なので。
どちらも一長一短です。

通常版観てから、字幕で答え合わせする感じがわたしは良かったかな?

「観る」だけじゃなく、「体験する」が近い作品だと思うので。
これはぜひ、お気に入りの映画館で。


togetter.com

最近、ここをチェックするのが日課です。
ほんっと、みんなよく見てるよなー
でもこれ見てると、2回、3回...と、行きたくなっちゃうんだよなー

ちょっと、語り過ぎていつもより長くなっちゃったね。
ごめんごめん

オチビサン 1巻

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監督不行届 (Feelコミックス)

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*1:というかエヴァQの続きを構想してくれているもんだと勝手に...

*2:もちろん、ガッズィーラハリウッド版も観ていないので、先入観だけで言ってます

*3:そこに若干の個人的な政治的野心とか絡んでくるけど

*4:動物愛護団体やデモにほんのり触れるような表現があったぐらい

*5:小泉進次郎をさらにキレ者にしたようなポジションなのかな?って思うけど

*6:大根だったの、ニコ動の弾幕ぐらいでは?

*7:第一形態のぬいぐるみアイは、あれっ?やっちまったー?とか思ったんだけど。まったく、要らん心配でしたー

*8:ギリギリだけど。ギリギリなりに。

*9:大物もそうでないのも平等に五十音表示とか、好きだ!好きだ!好きだーーー!!!

*10:「局部」じゃなくて「脚部」だった。とかね。