うちのシナプスだって、本気出せば手をつなげる。

ごはんとお酒以外も上手に思い出せるよ!ということを証明する実験。尚、嫌いな作品をdisるほどのカロリーは残ってません。

『シャンドワゾー(2017夏 後編)』に関する記憶 - ケーキをおかわりしたらピリピリから解放されて、やっぱりちろっと泣いたお話

どうも、あなたのぴのこです。

よし。やっとこさ、現在公開中の映画の感想は消化しましたー。
たぶん、この倍は観てるんだけど。
disは書かないって決めてるので、好きになった作品だけね。ごめんね
時間かかりすぎだよね。ごめんね
ゆっくりじっくり、観るからね...速さで勝負できないんだよね。ごめんね

さて、ここうちプス*1も世に爆誕してから1年半ぐらいになるんだけどね。
まだまだ、認知されません*2
「認知されません」というか。
うちプスでよく読まれているエントリがね…(※サイドバー参照

TOP3のうち、2つまでがケーキです。(※2回しか書いてない
残りの1つも、フェスのレビューです。

うん。ええと…あのね。
1年半で50ぐらい、地味にしこしこと感想を書いてきたんだけど。

映画ー!どこ行ったー?

きっと、ケーキクラスタのみなさんが、アクティブなんでしょう。
それにひきかえ、映画鑑賞クラスタは、シャイなんでしょう。
どこへ行っても「うまそうな顔で飲み食いするなー」と感心されるわたしです。
わたしがする食べものの話は、きっと、おいしそうなんでしょう。

ポジティブ~♪

いいの、いいの。
読んでもらえたら、それでいいの。
あなたが少ーしたのしい気持ちになってくれたら、それでいいの。

繰り返しになるけれど。
1位で書評を書かせてもらった友人の本は、とても良い本だしね。

ケーキツアー入門: おいしいケーキ食べ歩きのススメ

ケーキツアー入門: おいしいケーキ食べ歩きのススメ

もっと、売れれ。
もっともっと、売れれ。

さて、そんな訳で。
今日書こうと思っているのはね。
先月の中旬、新宿伊勢丹のマ・パティスリーにおいでなすったシャンドワゾーですが。
前回、ミゼラブルで号泣しちゃったわたしは、またおかわりしちゃったよ。
というお話。

尚、このお話は、以下の気分のあなたにおすすめかと。

①「ケーキなんて、そんな女子どもの喜ぶもの...」と、まだ思っている→Yes
②「シャンドワゾー?なにそれおいしいの?」と思っている→Yes
③先月マパテに行ったので、またあのおいしさを反芻したい→Yes

その心は...


まずね、シャンドワゾー?なにそれおいしいの?というあなた!

おいしいです!
果てしなく、おいしいです!!!

さて。今回連れて帰ってきた美人さんたちは、こんな感じ。
じゃん↓

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左下の赤い子から、右回りに実食いくよー

①ヴェール・エ・ルージュ

直訳すると、「緑と赤」という名前のケーキ。
ん?緑???ってなるよね。なるよね。
まずは、切ってみようか。(※もう食べたい!早く食べたい!!!
じゃん↓

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はい。中身はがっつり緑でしたー。

緑の部分は、ピスタチオのムースです。
このピスタチオがまた、豆感が強いの。
香りが良くて、ほくっと甘くて。
それでいて、ほのかな渋みとえぐみも感じられて…

「ずんだ感」やばい。
実に、わたし好みです。

いつも一緒にいてほしいのは、癒し系・和み系の彼女だよね。
緑パートは、そんな感じの彼女です。
でもねでもね、たまにはね…

刺激もほしいよね。

はい。そこで、小悪魔ちゃんの出番です。

赤い部分は、フランボワーズのジュレです。
とぅるん♪としたボディが、見目も食感も麗しいの。

小悪魔ちゃん、たしかに酸味もあるんだけどね。
爽やかさんタイプではないんだ。
しっかり甘くて、濃ゆくて。艶っぽい。

ファム・ファタール感」やばい。

この配合比も、絶妙なんだよね。
これ以上、赤が多かったら。
小悪魔ちゃんがくどくなる。しつこくなる。

これ以上、緑が多かったら。
和みちゃんがぼやけちゃう。間延びしちゃう。

この比率だからこそ。
和みちゃんの輪郭がはっきりするんだよね。
小悪魔ちゃんの美貌も、キリッと際立つんだよね。

実に、おいしいです。
が...

くれぐれも、火遊びにはお気を付けあそばせ。

フロマージュ・キュイ

「キュイ」というのは、「ミディアム程度に加熱された~」という意味のフランス語です。
つまり、フロマージュ・キュイとはベイクドチーズケーキのこと。

また、このフロマージュ・キュイがね、うつくしいのよ。

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断面図を見ていると。
土台からずれてるんじゃない?って思うかもしれないけどね…

ずれてんじゃないの。
ずらしてあるの。故意に

この土台ね、厚み1cmはあるしっかりしたサブレなんだけどね。
これを不定形に割ってあるの。
1つのケーキにつき、その3、4片ずつぐらいをね。
カスタードで繋いで、石畳のようにして。
その上に、円柱型のフロマージュ生地を載せてあるの。

あたかも、芸術的な建築を見ているよう。

さて、お味ね。
フォロマージュ生地の部分は、断面見てわかるようにけっこうみっちりしています。
酸味は…そんなに利かせてないかな。
甘いは甘いけど…そんなに濃厚というほどでもないかな。

うん。これがね。
土台である分厚いサブレと一緒に食べるとね…

濃厚な味のチーズケーキが完成しちゃうんだ。

ケーキクラスタのみなさんだったら、これをね。
「どこどこの○○と較べてこれは…」というような感想を語ってくださると思うんだけど。
わたしはケーキの知識がそこまでないので、ごめんね。
ざっくりいくよ?

ベイクドチーズケーキって、まずいものの方が少ない気がするのねわたし。
どこの店のものも、そこそこ食べられる。
「チーズケーキがおいしい!」とされているお店でも、ほとんどの場合。
フロマージュ生地が賞賛されていることが多いように思うの。

ビスキュイとかクッキー生地とかの土台部分ってさ。
なんというかこう…フロマージュ生地の…

流れ止めっていうかさ。
土手っていうかさ。

そんな具合の、地味〜な役割で。
土台が記憶に残るチーズケーキって、ほとんどないように思うのね。
そんなことない?

フロマージュ・キュイに限ったことではなくて、タルトとかでもそうなんだけど。
シャンドワゾーはケーキはほんと、土台に至るまで心からおいしいんです。

ざくざくするものは、ざくざくに。
サクサクするものは、サクサクに。

土台がいちばん重くて、甘くて、包容力があって。
上に行くほど、軽くなる。

だから、縦に切って、いちどきにお口に入れると。
それはもうそれはもう…

しあわせな時間なんだよね。
層でいただくのが、いちばんおいしい。

タルトタタン・トロピック

「アップルパイを作ろうとしたのに、あわてすぎて逆さに焼いちゃった★てへ」
でお馴染みの、タルト姉妹のタルトです。
おいしくできたのなら、オ-ケイオーライ。
ドジッ子は、世界を変えるよ!

それはそうと、「タルトタタン」って林檎に限らないのね。
はずかしながらわたしは、この度初めて知りました。
タタン姉妹のタルトだから…そっか。林檎以外でもべつにいいのか。

『ケーキ入門ツアー』でもね。
タルトタタンの話は、熱いですよ?

タルトタタンのリンゴは、この「焦げる寸前まで火を入れた甘苦さ」が肝要。絶対に生焼けなリンゴであってはいけないのです。タルトタタンをうたっておきながらなかまで火が通っていないものもたまに見かけますが、そんなものは断じて拒否!だったら普通のアップルパイを食べればいいのです。
 
(※Nyao著『ケーキツアー入門:おいしいケーキ食べ歩きのススメ』より引用抜粋)

おおう。熱い…熱いぞ...

そうなんです、この本ね。
おいしいケーキLOVEだけど、職人リスペクトなんだけど。

テキトー仕事、媚び仕事には、まじ厳しいです。

ここまでの思い入れの深さはね。
雑誌の編集部が作ったような本では、ここまでストレートに書けないと思うの。
こういうところが、Nyaoの本の個性的でおもしろいところでもあるの。

ニヤニヤしちゃう。

さて。そのタルトタタンのトロピカル風なるものが、こちら。
もちろん、夏限定です。
じゃん↓

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でかっ!
他のケーキと較べてもだーいぶ、でかい。
でもこのでかさも、シャンドワゾーのタルトタタンの特徴とのこと。

さて、林檎の代わりに何を使っているか?
気になるよねー気になるよねー

なんと!
バナナと杏とパイナップルですってよ奥さん…!!!

わたしは、ソテード・バナナが好きなんですよ!大好きなんですよ!!!
生のバナナってさ。
完熟したのを食べられるような国だったらべつだけど。
日本で食べるものはだいたい、ちょっとえぐみがあるじゃないですか。

ソテーしたバナナのさ。
内側が、とろけるようにちゅるっと甘くなったやつ...

わたし、あれにほんと、目がないんです。

もちろん、ソテード・バナナがいちばん好きだけど。
そもそも、温めたバナナ自体に目がないの。

どれぐらい好きかというとね。
ケーキが買えないほど、ド貧民だった頃。
1房100円のバナナを買ってきてレンチンするのに、一時期はまってたぐらい。

逆に、パイナップルはね。
わたしは、フルーツの中でもっとも苦手なんですよ…。
なぜか?っていうと、これまた語ると長くなるんだけどね...

小学校2年生ぐらいのときかな。
葉付きのパイナップルを、丸ごと1個食べさせられたことがあったんですよ。
断じて、わたしが食いしん坊だったからはないよ?
親がもらってきたのを、無理矢理食べさせられたの。

今思えば、賞味期限ギリだったんだろなー
ところどころ、お酒っぽいにおいになっている部分もありました。
「残さないで食べなさい!」と叱られながら、完食させられました。

当時、小2の少女がね。
パイナップル1個を丸ごと食べさせられるとどうなるか?というとね…

舌の表面が、酸で溶けます。

その後、何を食べても舌が痺れます。
味なんて、わかったもんじゃない。

それからというものの、少女の脳内では
「パイナップル=食べると舌がピリピリするやつ」
と変換されるようになったのでした…。
泣ける話でしょう。

なので、パイナップルが入ってるって聞いて。
正直げ!って思ったんだけどね。
おそるおそる、口に入れてみました...

ん?あれ?おやおやおやー???

火入れは、がっつりしてあるんでしょう。
バナナはとろっとろだし、杏も形が保てるギリギリまで加熱してあります。
パイナップルに関しては、量としてはけっこう入ってるんだけど。
特有のあの繊維が、かすかに残るかな?残らないかな?
ってぐらいまでしっかりきっちり、焼きを入れてあるんですよね。

ここまでやったら、ピリピリの酸もどっかいくよね。
酸味はほどよく残るんだけど。
甘みも香りもトロピカルみも、ぎゅううううっと凝縮されていて。

あ。わたし...

パイナップルも、食べられるんだ...

大袈裟じゃなく、昔年のトラウマから解放されて。
またもや、ぽろっと泣きました。

フルーツ以外の部分はね。
トロピカルソース、クレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)...と重なって。
土台のこのタルトがまた、おいしいんだよね。

えっとね、断面を見てみて。
タルトのところが、ミルフィーユの土台のような層になっているでしょう。
これがね…

ちょっと、パイ生地っぽいの。
サクサクしていて、少し塩気があって...

ああ。おいしい。
ああああ。おいしい。(※ちょっと、ティッシューーー!!!

④トロワ・ショコラ

シャンドワゾーの村山シェフは、ベルギーで修行した方なんだとか。
前回おいおい泣いたミゼラブルも、実はベルギーのお菓子なんだってね。

それなのに。
ああ、それなのに。

前回、チョコレートケーキを一つも買わなかったわたしは、なんというおばかちんなのかと

ええ。おかわりでは買いましたよ。
じゃん↓

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トロワというぐらいなので、チョコレートが3層になっています。
いちばん下がビターなダークチョコ。
真ん中がミルクチョコ。
いちばん上の絞ってあるのが、ホワイトチョコです。

底にはプラリネ*3のジャリジャリが感じられたり。
食感にもいろいろ工夫がしてあるんだけど。

素直に、チョコレートがおいしい。
甘みも酸味も苦みもコクも香りも。
3つの層で、それぞれ違うんです。

チョコレートって、いろんな顔があるんだね。
いろいろに、たのしめちゃった。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

とまあ、このように。
シャンドワゾーがいかに素晴らしかったか?
という話を、友人でもあるNyaoに懇々と語った訳ですよ。
正直もう、「知ってるよ!」ってことばかりだったと思うんだけど。
でもね...あんまり熱心に伝えたものでね...

今年のバースデーケーキが、シャンドワゾーのアントルメになりました。
ムース・オ・ショコラ・トンカです。じゃん↓

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わたし、トンカ豆って、初めて食べたかも。

すごいの、トンカ豆って。
食べると、桜の花の香りがするの。
それだけだとたぶん、クセが強い素材だと思うんだけど。

濃ゆいチョコレートと合わせることによって...

深みがぐぐぐぐぐっと増すの。
力強くなるの。
濃厚になるの。

これがもう、夢のように至福な時間でね。
ぺろっといっちゃった。ぺろっと

やっぱり、好きなものって大声で言い続けてると。
いいことが、あるみたい。

みんな、言おう。
はずかしがらずに、「好き!」って。
ケチらずに、「大好き!!!」って。

きっと、誰かが憶えていてくれて。
素敵なものが、降ってくるよ。
きっと、誰かが憶えていてくれて。
あなたのしあわせに、手を貸してくれるよ。

ケーキツアー入門: おいしいケーキ食べ歩きのススメ

ケーキツアー入門: おいしいケーキ食べ歩きのススメ

*1:このブログ名の略語です。しつこく言うけど、みんなで使ってねー

*2:いつも遊びに来てくださるあなた!ありがとうねえありがとうねえ

*3:砂糖を熱してカラメル状にし、ローストしたアーモンドやヘーゼルナッツを混ぜ合わせ、すりつぶしてペースト状にしたものを、溶かしたチョコレートに混ぜたもの  プラリネとは - チョコレート・ココア辞典 Weblio辞書 より引用