どうも、あなたのぴのこです。
今回は、こちらのお話。
伝説のコミックが過激に甦る!『DEVILMAN crybaby』PV第3弾
このエントリは、二部構成の後篇なんですけれども。
後篇は、前回に増してがっつりネタバレしています。
ラストまで、しっかり書いてありますので。
ご了解の上、この先は何卒、何卒。
尚、このお話は以下の気分のあなたにおすすめと考えられます。
①原作を知らない人間が今さら興奮していても、なまぬるく見守るだけの包容力がある→Yes
②体力があり余っているので、大いに絶望できる準備がある→Yes
③愛とか正義とか口にされると、片腹痛い→Yes
その心は...
(※劇中の台詞については、耳コピであるため、正確ではない可能性が含まれます。ご了承ください)
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さて、了はね。
悪魔の存在を民衆に知らしめるために。
高校生の陸上大会という、大舞台を利用しようとするの。
この陸上大会はね。
スーパー高校生:幸田燃寛が注目されている大会なんだけど。
彼が悪魔に変身する様を、全世界に配信しようとするのね。
前にTVで見た
空港で泣いてたよな
お前悲しかったんだよな
そして、今も泣いてる
で、人間は初めて、作り物ではない悪魔を目の当たりします。
ものすごい惨殺現場も。
するとね...
悪魔狩りを始めるようになるの。
人間同士で。
ご近所同士とか、友達とか、仕事仲間とか。
今まで仲良くやっていた間柄で。
「悪魔なんじゃないか」と、お互いを疑い合うようになるの。
あるいは、弱い人は未来に絶望して、自殺してしまうの。
恐怖って、すごいね。
処刑も、暴動も、戦争も。
根源はすべて、「恐怖」なんだ。
その、恐怖に囚われた人間のね。
愚かさ、弱さ、醜さを、まざまざと見せつけられるんだよね。
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そんな人間たちに対してね。
「人類って、思ってたよりアホだわ
どうせ自滅するから、黙って見てようぜ」
と提案するのが、了なんだけど。
自分の計画を遂行しようとする中で。
了は不思議な強い光を見て、激しく恐れるんだよね。
本能的に。
神との戦いにより、身体を失いし悪魔神サタン
永劫のときを経て、無より蘇り
悪魔軍団を率いて、天空より災いを成す
神の軍団、再びこれを討つ
そして、その本能に疑問を感じて。
自分を知るための旅に出るの。
これが「エピソード8:オレはオレを知らなくてはならない」。
サタンはかつて、一人で神に戦いを挑んだ天使です
破れて地球にやってきたと言われていますが
気高く美しく、両性を持ち、12の羽根を持つと言われています
旅を経て、サタンとしての記憶を取り戻した了はね。
「人類を滅ぼして、今度こそ神との戦いに勝利すること」
に、シフトチェンジするの。
そのために、明の力を必要とするんだけどね
その人間には、恐怖を抑えて闘う勇気がある
知力がある
巨大な武力もだ
悪魔と戦えるはずだ
それでもまだ人間を信じたいのが、明なんだよね。
他にも人間を信じたい人は、わずかながらも、まだいてね...
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「そのときイエスは、彼に言われた
『剣を鞘に納めなさい
剣を抜く者は、皆剣により滅びます』
「それって、闘っちゃだめってこと ?」
「そうだよ
互いが剣を合わせれば、必ず犠牲が出る」
「じゃあ、どうすればいいの?」
「愛だよ、愛」
「それ、強いの?」
「強い ! 強い ! 世界で一番強いんだから」
はい。
一人は、美樹ですよね。
最初ね。
あーこのタイプ苦手だわ…って思いながら観てたんだよね。
正論の人の前って、やや萎縮してしまいます。
インスタもどきの投稿で呼びかけをする、あのシーンとかもね。
ジョン・レノンかよ ! イマジンかよ !!! って突っ込んじゃった*1。
でもね。
これも、2周目に気づいたことなんだけど。
緊急番組で「明はデビルマンである」と了が公表するシーンがあるでしょう。
それを観たあとの、美樹の反応なんだけど。
「あのときもそうだった
明君、さっきも家族のために泣いてくれたよね
明君は、変わらない」
「ありがとう、美樹」
「だって、家族だろ」
ここで躊躇なくハグって、なかなかできなくない ?
「そんな…明君…(わなわなわな」
「ちっ、違うんだ、美樹…」
「近づかないで ! いやあああ !!!」
とかなんとかいった一芝居、打たれそうじゃないですか。
そんな描写、一切ないの。
全然、まったく。
あー…そっか。
彼女は、”偽”善者はないんだ。
正真正銘、愛の人なんだ。
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つまりね。
バトン=愛なのではないかと思うの。
「美人で、人気者で、センス良くて、いいヤツで、
なんでも一番、一番、一番...ほんとやなヤツ
ほんと大嫌いだった」
「うん、知ってた」
「でも、大好きだった」
「それも知ってた」
最後の最後で。
バトンは、ミーコから美樹に渡ったよね。
そのあとね。
なんで走るのか
理屈はわからない
好きだから
ちょっとでも、ほんの少しでも、前へ
前へ進めば、何かが変わる気がする
取るに足らない、ほんの少しでも
ちょっとでも、ほんのちょっとでも
明君、あなたにバトンを渡さなきゃ
美樹から明にも、渡ったと思うの。
"ヒーローのお守り"が、そうだったんじゃないかな。
フラグ立っちゃったけど。
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それにしても、いやあ...驚いた。
ごめんなさい
僕、お肉...お肉、我慢できない
牧村家の惨劇が太郎から始まるのも、だいぶしんどかったけど。
あの、美樹の絶命シーン。
普通、ヒロインってあんな壮絶に死んだりするもの !?
容赦なさすぎじゃない ?
見てるこっちの背中がズキーン ! ときたよ。
加えて、そのあとの串刺し...*2
しかも、掲げている人間が笑ってるでしょう。
あそこも、人間性をこわいぐらい表現したシーンだと思う。
ラッパー同士で殺し合うシーンも、そうだよね。
あの、あり得ない動きをする、黒目。
あそこも、そう。
ああいうときの人間って。
異常な高揚状態になるんだと思うの。
もともと、恐怖に駆られての行動なのに。
もともと、間違いだらけの行動なのに。
自分が強くなったように。
自分が正義を成しているように。
錯覚するんだと思うの。
あんたたちに問う
人間らしくあることとは
善良であることとは
正義とは
正しいこととは
暴動も、戦争も、さまざまな差別の歴史も。
「こんなこと、やめよう ! 」
「間違ってるよ !!! 」
って、まともなことを叫ぶ人がちゃんといたはずなんだけど。
煽動された民衆の興奮は、止まらない。
結論を言います
我々が戦っている悪魔の正体は、人間です
ああもう、こんな人類...
いっそ、滅びた方がよくない ?
明が命がけで救う意味、ある ?
... と、こんなもんでは語り切れない
「エピソード9:地獄に堕ちろ、人間ども」
ですけれども。
伝説とか、神回とか。
安い表現では言い尽くせぬほど、すばらしかった !!!
ここへ向かって、クレッシェンドしてきた感あるよね。ね。
その感動も冷めやらぬまま、アクセル全開のまま...
いよいよ、最終回です。
「エピソード10:泣き虫」へ。
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悪魔だ、おまえたちこそ
地獄に堕ちろ、人間どもめ
愚かな民衆の行動に絶望して。
そう、思いかけていた明をね。
引っ張り上げて背中を押すのはやはり、美樹の愛なんだよね。
彼女の呼びかけで集まったデビルマンたちもまた、愛の人。
了(=サタン)と戦うために、明が腕を失えば腕を。
脚がなくなれば、脚を。
喜んで、差し出すのね。
ここにも一切、躊躇がない。
ああ、そうか。
本物の愛には、エゴがないから。
いざというときの自己犠牲すらも、迷いがないのね。
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さて。そんな熾烈な了と明の戦闘シーンだけどね。
合間合間に、子どもの頃のリレーの回想シーンが流れるでしょう。
何度も、何度も、何度も、何度も。
しつこいぐらいに。
明のバトンは、了に届かない。
明がハイ ! と渡しても。
了は、なんだこれは ? って顔してる。
受け取られないバトンは、力なく地面に落ちてしまうの。
何度も、何度も、何度も、何度も。
それでも、笑顔の明は了に差し出す。
何度も、何度も、何度も、何度も。
愛はない
愛などない
ゆえに、悲しみもない
そう思っていた
了は、愛を知らないから。
愛を伝えられても、どうしたらいいのかわかんないのね。
「どうして泣く?死ぬのはわかってた」
「違う」
「弱い者は死ぬ」
「違う ! 違う ! 違う ! 了ちゃんも泣いてる」
「なんで ? 俺は悲しくない。当然のことだ」
「了ちゃんも泣いてる」
そのとき私は、おまえが何を言っているのかわからなかったよ
他者のために涙を流してきた、泣き虫の明をね。
失って初めて、了が泣くの。
生まれて初めて、了が泣くの。
明、オレは今何かを感じているよ
これは何だ
教えろ、何だ、明
今のオレの気持ちを感じてくれ
失って初めて、愛を知るの。
生まれて初めて、愛を知るの。
バトン、渡ったね。
今度こそたしかに、了は受け取ったよね。
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... ...
すごいもの、観ました。
途中から止まらなくなって、わたし。
1〜10話まで、ぶっ続けで一気見したんですけどね。
頭は、フラフラ。
泣きすぎて、まぶたが腫れすぎたせいで。
もともとの糸目は、さらに極細繊維になって...
この日はこのあと、誰にも会えなくなりました。
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。
愛は自慢せず、高ぶらない。
礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。
不義を喜ばず、真実を喜ぶ。
すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。
愛は決して滅びない。
(中略)
それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。
その中で最も大いなるものは、愛である。
(コリントの信徒への手紙 - 13章より)
人間の愚かさ、弱さ、醜さを、残酷なぐらい見せつけたあとに。
永井先生がいちばん描きたかったのはね。
愛の偉大さ、尊さだったんじゃないかな。
そのメッセージをね。
今回、了の物語に仕上げることによって。
舞台を陸上部に移すことによって。
湯浅監督が、より強く伝えられるようにしたんじゃないかな。
すごいもの、観ちゃいました...。
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さて、なにせ原作を読んでいないのでね。
続きがどうなるのか、新参者のわたしは知りません。
この先に何があるのか、想像もつかないんだけど...
シーズン2、待ちます。
いつまでも、待ちます。