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うちのシナプスだって、本気出せば手をつなげる。

ごはんとお酒以外も上手に思い出せるよ!ということを証明する実験。尚、嫌いな作品をdisるほどのカロリーは残ってません。

『アシュラ(2016)』に関する記憶

そんな訳で今回は、『アシュラ』です。
着々と、ずぶずぶと。
韓国ノワール沼に沈められつつありますな。

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映画『アシュラ』(2017/3/4公開) 本予告【公式】

尚、この作品は、以下の気分のあなたにおすすめと考えられます。

①魅力的な悪役に会いたい→Yes
②でも、任侠映画って気分ではない→Yes
③「和製○○」といった二つ名には、いささか抵抗がある→Yes

その心は…

(※劇中の台詞については、いささか心許ない記憶に頼ったものであるため、正確ではない可能性が含まれます。ご了承ください)

アシュラ (上) (幻冬舎文庫 (し-20-2))

アシュラ (上) (幻冬舎文庫 (し-20-2))

アシュラ (下) (幻冬舎文庫 (し-20-3))

アシュラ (下) (幻冬舎文庫 (し-20-3))


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すごいですこれ。
悪いヤツしか、出てこない。

しかも。
主要キャラが5人いるんだけど。
ワルのタイプが全員違うのね。
でも、安心して。

どのキャラも、もれなくクズです。

クズすぎて、逆にスカッとする。
気持ちいいわー。

その5人がね。
それぞれの立ち位置やら思惑から。
それぞれ、政治的な取引をするのね。
簡単には、手の内見せない。

うっわーまだこんなカード持ってたんだ...
って罠が、二重にも三重にも仕掛けられていたり。
追いつめられて、アドリブかましたり。
立場が逆転したり。

一筋縄では、いかないんだよね。

みんな喰えなくて。
みんな、いい。


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特筆すべきはやっぱり、あの市長パク・ソンベ!
今まで、わたしの中で悪役といえば。
ダークナイト』のジョーカーがダントツNo.1だったんだけど。

それと、並んじゃうかも。パク市長。

笑顔が多いのよ。
しょっちゅう、ニコニコしてんのよ。
いろんな人に、いろんなところで。
でもね...

まったく、目が笑ってない。

その目 絶対に信じてはいけない目をしている

だってね...
こんな目だよ?

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だめだめだめだめ...
絶対に、信じてはいけない。

現実でお会いするのは、ご勘弁願いたいけれど。
サイコパス型の悪役って、やっぱり華がある。
こういうのを観るときは、フィクションとして楽しみに来てるから。
何し出すか読めないキレッキレの悪役が出てくると、やっぱりアガる。

魅力的だなーと思うシーンは、いっぱいあるんだけど。
相手によって、状況によって。
態度がコロッと変わるところなんか、ほんと最高。

特に、対市民とか。対マスコミとか。
変わりっぷりが清々しいぐらい、ゲスい。

いい笑顔?見せます見せます。
出し抜きのスタンドプレー?やりますやります。
遺族と号泣?やりますやります。
公衆の面前で土下座?しますします。

尻?見せます見せます。
なんぼでも、見せます。

人間ってもんは、相手のことじゃなく
自分のことだけ考えるもんだ

これを貫いていて、最後まで矛盾のない悪役です。
気持ちいいわー


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あと、わたしね。
バイオレンス映画の中の、食事のシーンがすっごく好きなのね。*1

この手の映画ってさ。
けっこう、気を張りつめて観ちゃうでしょう。

そこに、ごはんのシーンが出てくると。
ちょっとだけ、ほどけたり。
後から思うと、小さな暗示が出ていたり。

主人公の刑事ハン・ドギョンにはね。
ムン・ソンモっていう、弟分のバディがいるんだけど。
二人で、屋台っぽい店で定食を食べるシーンが何度か出てくるんだよね。
そこで、お魚の切れ端をやり取りするシーン。
あそこなんかも。
二人の関係性をうまいこと、切り取って見せてる。気がする。

ごはんシーンといえば、そうそう。
忘れちゃいけない、もう一つ。
市長がユッケジャンの話をするシーン。
ここもすっごく、いいんだよ。

彼の腹黒さ。これから起こることへの暗示。
そういうのが全部含まれていて。
でも、語り過ぎてない匙加減がかっこよくって。

だって...
想像してみてよ。

ユッケジャンだよ?
いやあああ


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この作品の魅力には「女っ気のなさ」というのも一つ、あると思うの。
ずっと、ガサガサしている。
ずっと、ゴリゴリしている。

日本の任侠ものだったら、ハリウッドのマフィアものだったら。
情婦の一人や二人。
一緒になりたい女の一人や二人。
とっくに、出てきそうだもんね。

そんで、文字通り。
寝首を掻かれたり。
「このヤマが終わったら俺たち...」
ってフラグが立ったり。

これは、ちょっとだけ奥さんが出てくるけど。
せいぜい、それぐらい。
ずっと、ガサガサしている。
ずっと、ゴリゴリしている。

トーリーだけじゃないよ?
画作りももう、とにかく男臭いの。

彩度を落として、ちょい黄色に転ばせて。
締め色の黒はぐぐぐ、と効かせてある。

わたしも夜の街を撮るときは、がっつり暗いのが好きなんだけど。
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(※唐突に自分で撮った写真を忍ばせるとかなにこの強心臓)

画的にも、ずーっとかっこよくて。
口開けて見てた。
好みです。ど真ん中です。
撮りたいのは、こういう夜なの。

ザラザラ。ゴリゴリ。ガサガサ...
何のシーンのときも、砂壁を引っ掻いたような質感がずーっと続くの。
やんなるぐらい、男臭い。興奮する。

なんなら、ちょっと...妬けるぐらい


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主人公を演じたチョン・ウソンにしろ。
市長役のファン・ジョンミンにしろ。
日本の俳優の「誰か」に似てるでしょう。*2

お隣の国だから。
顔が似てても、そりゃあ当然だろうけども。
日本の俳優の演技レベルを軽々飛び越えてて、正直びびる。

まだせいぜい3、4本しか韓国映画観てないけど。
それでも、わかる。
今さらかもしれないけど、わたしにも言わせて。

全員が全員、演技のレベルが段違いだよね。

そうだよなー。
本がしっかりしてて、役者が巧ければ。
そりゃあシーンは盛り上がるよなーって

今さらかもしれないけど、わたしにも言わせて。

お隣は相当、先行っちゃってるよね。
もうだーいぶ、差つけられてるよね。

やばいやばい

クソうんこみたいなアイドル映画とか。
マザフ●ッキnゴミみたいな原作漫画映画とか。
そんな中身のないの量産して喜んでる場合じゃないよ。

やばいやばい

ちょっと、焦ろう。
やばいやばい


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あと、そうそう...褒めたいところがもうひとつ。
血ね。
血が、違う。全然違う。

あんまり、鮮血じゃないんだよね。
赤黒くて、粘度が高いの。

ドロッとしてる。
邦画の中であんな血って、あんまり見たことないや。

あんまり、ピューッと飛び散らないしね。
どぅくん、どぅくん、って脈打って出てくるの。
あ。まだ心臓動いてるんだな。
いや。止まったな。ってわかるの。

そこに派手さはないんだけど。
すごく、生々しい。

ハリウッドにも深作欣二にも、ない表現では?

刑事の勘ってやつだ
 
俺がどんなにあがいても
永遠に抜けられない気がする

それこそが、「阿修羅」という地獄なのかも。

最後に笑うのは?
結局手を汚すのは?
勝ったの?負けたの?
抜けられたの?

わたしの目では、解釈では...

あのラストは、ハッピーエンド。

阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガール (新潮文庫)

*1:パルプ・フィクション』でもさ。ビッグマックの話するシーンがあるじゃん。あそこ大好きー!

*2:誰に似てるかは言わないけれど。あえてここでは、言わないけれど