どうも、あなたのぴのこです。
さて、今回は、Netflixにて1/5~全世界同時配信と相成ったこのお話。
尚、このお話は、以下の気分のあなたにおすすめと考えられます。
①原作を知らない人間が今さら興奮していても、なまぬるく見守るだけの包容力がある→Yes
②体力に余裕があるので、多少の絶望は受け入れられる準備がある→Yes
③悪魔に魂を売っても、手に入れたいものがある→Yes
(※劇中の台詞については、耳コピであるため、正確ではない可能性が含まれます。ご了承ください)
その心は…
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まず、そうだなあ…
うーたらあーたら、わたしがわかったようなことを調子よく語り出す前に。
ひとことだけ、聞いていただきたいんですけれども
ハンデ、ください。
と、いうのもね。
うち、実家の教育がわりと厳しめだったもんでね。
1週間で許可されたTVの視聴時間は、30分でした。
おこづかいで漫画を買うことは、許されませんでした。
大人になって、周囲を見渡してみれば。
もっと(さまざまな事情で)厳しいご家庭なんて、山ほどあるし。
特段、わたしだけが不幸な訳では全然ないんだけどね。
しかしね。
厳格に管理・抑制された幼少時代を送ってきた子どもの中にはね…
当時、ほんとはやりたかったこと。
当時、ほんとはほしかったもの。
そういったものを大人になってから。
一気に回収にかかる極端な例もあったりしてね…
まあ、わたしのことなんですが。
お母さあああん ! お父さあああん !!!
あなたたちの教育のおかげで。
ぴのこは、こんなに立派なエログロ大好き★サブカルクソ女に育ちましたよー
来る日も来る日も、HIP HOPでスラングばかりを憶えてますよー
抑制されたことによって、強い自我が目覚めた結果です。
ある意味、これも教育の賜物。
ありがとうありがとう… !!!
とまあ、こんな具合に。
いろんなことを遅れて経験しているのですけれども。
さすがにまだ、全部が全部という訳にはいかなくてね。
ちょいちょい、取りこぼしているジャンルもあるにはあるのです。
そのひとつがね…
お待たせしました !
永井豪先生周辺でございます… !!!
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原作を知っている人からすると、今回のドラマシリーズはね。
かなり原作に忠実らしいんですけれども。
なんせ、ほら。
こちとら、いまさら初見だからね。
わたしがふんふん ! ふんふん ! 鼻息荒げて言ったところでね。
それ、40年前から言われてるし !!!
ってことも、あると思うんですよ。
大いに、あると思うんですよ。
だからね、なのでね
ハンデ、ください。
優しくしてね。
よろしくね。
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その上わたし、前情報的なことはあんまり調べないで観たんですよね。
予告編の動画を2本も観たかなー ?
だから、知らなかったんだけど。
OPって、電気グルーヴだったのね…。
ちょっと重め暗めなテクノで。
リリック ? 的なものも「man」「human」って言ってるぐらいで。
ちょっと意外な感じがしたんだけど。
うん…いや…これはこれで…いい… !!!
逆にね。
あっれは、だれっだ、だれっだ、だれっだー
の、みんな大好きあのテーマはね。
女王蜂のアヴちゃんが歌ってます。
アニメ D.V.M.N. cby Dman No Uta Music 女王蜂90秒Ver.
あら、いい感じ♪
しかもアヴちゃんは、今回声優としても参加してるしね。
すっごい、合ってると思う !
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そうそう、声優といえば、もうひとつ。
ラッパーがけっこう、出てきます。
KEN THE 390、出てきます。(※彼はラップ指導も担当
YOUNG DAISも、出てきます。
あと、般若も !
これは、うれしい限り… !!!
しかも、現代っぽさとか街の空気感を出すための色モノ的存在だと思っていたら。
終盤まで、わりとがっちりストーリーにも絡んでくるという
あとから監督のインタビューを読んだらね。
原作では不良が担当するところを、現代風にラッパーに置き換えたのだとか。
なるほど ! なるほど !
なんだかんだ言ってもラップはやはり、特殊な歌唱法なので。
ラッパー役は声優じゃなくて、本物のラッパーを使ってもらえると。
ヘッズ見習いとしては、すっきりします。
あと客観的に聞いてても、改めて。
ラッパーって、声がいいね。
ラップしてるときの手の動きとか、ややぎこちないけど。
声の演技も、やや棒なところがあるけれど。
それもこれも赦しちゃう… !!!
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さて、ぎこちなさの話をしたので。
逆の話もするね。
これね、主要な高校生が陸上やってる。っていう設定なので。
「走る」シーンが、ほんとよく出てくるんだけどね。
なぜ走る ?
犬猫にすら、身体能力は敵わないのに
悪魔の力を手に入れると、この、彼らの走る姿がね...
ぎゅいーんと、前傾姿勢で。
長い四肢が無駄なく稼働して。
まるで、チーターみたい。
とにかく、速い。
そして、うつくしい。
ああ…なるほど
この描写はきっと
圧倒的な人間との差を、見せつけたかったんだ。
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あるいはね。
特に、悪魔との戦闘シーンに多いかな ?
画面の暗さが気になるところが、ちょいちょいあります。
デビルマンが悪魔と闘ってんだよ ?
つい、華々しく見せたくなるじゃん。
ここも、気になっててね。
なぜかなーなぜかなー ? って思ってたんだけどね。
2周してから、わかった。
「見えるか ? 」
「ああ、何不自由はなく、な」
たとえば、このシーンね。
人間には赤外線スコープ越しじゃないと見えないような暗闇なの。
あーなるほど...
この暗さ、わざとだ。
わざと、悪魔側の視界を体験させてるんだ。
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とはいえ、そういうことに気づけたのは、2周目以降で。
初見のときはね。
たしかに「エピソード1:おまえが必要なんだ」のサバトパーティのシーンは、すごかった !
もんのすごい惨殺シーンなんだけど*1。
青い肌色、緑の肌色、黄色い乳首...
色のおかげで、ドラッグによる幻覚のようにも見えるし。
出てくる悪魔たちに丸っこいものがいたりするせいで、現実味がないの。
明がデビルマンになるときの線画の迫力も、すごい。
でも…ごめんなさい。
他のところでは、序盤のうちはわりね。
ふむふむ、はあはあ、なるほど...といった感じで観ていて。
ぐわあああん !!! っと持ってかれるほどではなかったのね。
ひょっとしたらこれ、最後まで観ないかもな...
って、正直思ってた。
そう、3話目までは。
そこで、「エピソード4: 明、来て」ですよ… !!!
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「明、来て」もね。
ここまで来ても、ちょっとわたし…
えっちな意味かな ? とか思ってましたからね。
全力でお詫びします。
ごめんなさい。
全っ然、ちがった。
はい。ここからは、まじめに !!!
この辺りからね、「走る」ことの意味が語られ出すの。
美樹も、ミーコも、「なぜ走るのか」にストーリーがあるんだけど。
まずは、明からね。
大きくなる
早くなって
お父さんとお母さんに追いつくよ
明の場合、きっかけはこういうことで。
これがわかり始めるのが、ちょうど第4話なのね。
明は、海外で働く実の両親とは遠く離れて暮らしていて。
母親同士が親友であるところの、牧村家で居候しているのね。
普段は、そんなに淋しそうには見えないんだけど。
(※そうさせないように、牧村家は最大限に気遣ってるんだろうし)
でもやっぱり、そういう特殊な環境であること。
親子間で、お互い気にならない訳がないよね。
不在の間も、母親は海外から明にたびたびシューズを贈っていて。
離れていても、そういうやり方で。
コミュニケーションを取ろうとしていたのだと思うのね。
さて、そんな中でのあのジンメン化ですよ...
ごめんなさい、明
ずっとほったらかしで
あなたを抱いてあげたかった
涙を拭いてあげたかった
わたし、ナメてました。
いくら悪魔だっつっても、女子どもには手加減するはずだって。
まったく手を抜かないです、このお話。
彼だけは、殺さないで !
彼女だけは、守ってあげて !
そういう、祈りのような想いがね...
容赦なく、ことごとく、打ち砕かれるんです。
この流れは、回を増すごとにさらに拍車がかかるんだけど...
続きは後篇でまた、書きます。
一旦、この話は置いておいて。
「エピソード5:シレーヌ、君は美しい」の素晴らしさについて、語らせてね。
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vsジンメン戦も、凄まじかったけどね。
この、vsシレーヌ戦も、べつの意味で強烈なの…。
ああ、その前に。
悪魔の特徴について、おさらいしておかなければ。
悪魔は、人間が地球に現れる遥か昔から存在した
獰猛で、野蛮極まりなく、感情などない
しかし、戦闘能力と生命力に長けた生物
単体での目撃例はなく
悪魔は実体を持たず
何かしら生物と合体しないと、存在できない
奴らは生き延びるためによりよい生物と合体を繰り返し
その能力を蓄え、進化していった
特に、赤字部分。
いいですね ? 憶えましたね ?
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さて、シレーヌの話に戻るとね。
シレーヌは、明と合体した悪魔アモンの元・恋人でね。
変身すると頭から翼が生えてきて、白い悪魔になるの。
すんげー、美人。
すんげー、グラマラス。
で、人間界で長らくアモンがやってくるのを待っていてね。
彼が、自分のことを思い出してくれることを。
そして再び、自分に夢中になってくれることを。
ずっとずっと、待ち続けているんだよね。
「私に会えば、アモンは元の心を取り戻す」
「戻らなかったら ? 」
「そのときは、私が始末する
男根だけ、しゃぶり尽くしてな」
このシーンでシレーヌは、舌なめずりをするのだけどね。
悪魔だからね...歯がめっちゃギザギザなんですよ。
ひえー...
女のわたしですら、ヒュンってなりました。
さておき、そんな背景があるからね。
闘いながら、明に対してね。
「本当の名前を言え」と執拗に迫るの。
「アモン」と答えたら、シレーヌは明を殺しにかからなかっただろうね。
でもね。
「アモン」と答えること。
それはすなわち、明が人間の心を失ったことになるでしょう。
明は意地でも、その名を口にしようとしない。
そこで、死闘が続くんだけど。
その結果、シレーヌも明も、致命傷を負うのね。
「合体してデビルマンを倒しても、おまえは死ぬのだ」
「オレも、生き延びるつもりはない
君にデビルマンを倒す勝利の感激を、味わわせたいだけだ
オレの命と能力を君にやろう」
「なぜ...」
「シレーヌ、血まみれでも君は美しい」
そう、最後の勝機に賭けるためにね。
悪魔同士での合体を、提案するのです。
誰が... ? というのはぜひ、あなたの目で確認を。
「了、悪魔にも愛があるのか」
「まさか
悪魔はある意味、純粋な生物だ
破壊衝動、補食活動が彼らのすべてだ」
「そうか、オレには愛に見えた」
この回、ラストカットが心から美しいです。
そりゃ、伝説にもなる訳だ。
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さ。そろそろまとめよっか。
「圧倒的な力を手に入れるために、悪魔と契約する」
という設定は、古今東西いろいろな物語でも出てくるよね。
明ですら。
手にしたての悪魔の力に、陶酔や快感をおぼえる描写があるでしょう。
「エピソード2:片手で十分だ」なんて、完全にそう。
逆に、すごく人間らしく見えるところでもあるよね。
スーパー高校生の幸田燃寛も、そう。
ミーコも、そう。
私もクロダミキっていうの
牧村美樹はほんとすごいけど
何か一つだけは、陸上くらいは、私も勝ちたい
そうじゃないと私、ミキになれない
一生、ミーコのまんま
圧倒的な力を手に入れたら、なにがしたい ?
なんでもできるよって言われたら...
○○になりたい、いちばん強い/上手な/うつくしい○○になりたい。
あれがほしい、これがほしい。
人気者になりたい、有名になりたい。
あいつに勝ちたい、見返してやりたい。
力づくで、あの子を手に入れたい。
... ...
いくらでも、浮かぶよね。
だからみんな、その誘惑に魅了されるの。
「悪魔と約束すると、強くなれるんだって」
「そんなのTVの話でしょ」
「太郎、悪魔が私たちに甘い言葉を囁いても
それに乗ってはいけないんだ
我々には愛や教養がある」
甘い誘惑だよ。
かなり、魅力的だよ。
目の前にぶら下げられたら、大きな代償に気づけないかも。
誘惑に、勝てるかな ?
わたしたち人間は。
後篇に、続きます。
*1:ネット配信ならではのエログロ全開 ! やりたい放題