昨日はごめんね...。
いつも1エントリは5〜6,000文字ぐらいのボリュームに収めるようにしてるんだけど。
昨日は大好きなHIP HOPの話してたら
70%もオーバーしてました。
ごめんねごめんね...。
そんな訳で今回は、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』です。
尚、個人的にはこんな気分のときにおすすめと考えられます。
①昔はよかったなーと思う。戻りたい過去がある⇒Yes
②ちょっと、においフェチかも…と自分の変態性に悩んだことがある⇒Yes
③子どもの目や言葉にハッとさせられたことがある⇒Yes
その心は…
(※劇中の台詞については、耳コピであるため、正確ではない可能性が含まれます。ご了承ください)
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わたしは映画を観るとき、初めて出会いたいから。新鮮に感動したいから。
前情報を入れることは極力、控えめにしてるんだけど。
この作品のことも、1960~70年代のことを扱ってるって聞いて。
『三丁目の夕日』みたいな感じかな?
ってぼさーっと思ってたの。
全然、ちがった。
むしろ、真反対だった。
よくよく見てると、懐古主義に対してかなり皮肉を描いてるのねこれ。
ねるの?ごはん食べないの?
ねえ母ちゃーん オラ腹へったー
ねえ母ちゃんってばー
(何らかの青いものが投げられる)
なにこれ?
ネギ
他の大人もそうなんだよね。
自分の快を求めすぎて、大人としての「自分」を放棄するとね。
子どもたちのことは邪魔者どころか、敵になるの。
そのときの大人たちの目がね…
ぞわっとした。
あの目、あの表情の描き方。
お迎えのトラックでで見せる無個性な笑顔とまた、コントラストが酷くて
そっか。
現実が見えてない大人って、責任を放棄した大人って。
子どもからは、ああ見えるのか。
痛烈な批判だった。
まったく、手を抜いてない。
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この映画の素晴らしい点は、まだまだあるよ。
わたしが大好きなところはね。
「嗅覚とは記憶と直結するものである」
という事実を、上手に料理している点。
今夜は雪になるな。そろそろ入梅かな。って、においで気づいたりするでしょう。
帰り途でカレーのにおいがすると、少し泣きたくなるでしょう。
帰省して、実家のにおいに包まれるとなんだか安心するでしょう。
好きな人の家は自分の家とは違うにおいがして、愛おしくなるでしょう。
昔の恋人と同じシャンプーの香りで、フラッシュバックが起こるでしょう。
ね。
においとはときに、過去の過去の記憶と結びついて。
胸をぎゅうううっとさせる。
だからね。
「街ににおいをばら撒いて、街をなつかしさで占拠する」っていう
イエスタデイ・ワンスモアの計画は、ある意味理に適っている。
そら効果的だわ、やるな。
でもね。
なつかしさに狂わせるのも、においであるならば。
現実に引き戻すのもまた、においである訳です。
お前たちの親は 昔のにおいで子供に戻っている
だったら今のにおいだゾ
父ちゃんは父ちゃんなんだよ
このにおい わかるでしょ
いわば、においとにおいの綱引きなの。
ほんと、よくできてる。唸っちゃった。
まったく、手を抜いてない。
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ところで。
昔の話ばかりする人って、どうしてダサいんだろ。
かっこ悪いんだろ。
これ観てから、理由を熟考してみたの。
そしたら、我ながらしっくり来るアンサーが出たんだけどね。
昔の話ばかりする人ってね。
「今を生きること」から降りてるんだ。
客観的に見て、「今」が「昔」より劣ってるんじゃなくて。
その人が「今の自分」を「昔の自分」より好きになれてないんだ。
自分から「過去の人」になりに行っちゃってるんだ。
そりゃあ、かっこいい訳ないよね。
もう一度 やり直さなければいけない
日本人がこの街の住人たちのように
まだ心を持って生きていたあの頃まで戻って
未来が信じられた あの頃まで
あの頃ねえ...
今よりも、心があった?ほんとに?
犯罪率なんて、今よりも高いよ?
女の人の社会的地位なんて、今よりだいぶ低いよ?
街も汚かったみたいだし。
わりこみ、ポイ捨て、当たり前。
公共マナーなんて、あってないようなもんでしょう。
悪いニュースばかりが目立つから。
「昔の方がよかった」って思い込んでるだけかもよ?
足元、見て。しっかり見て。
見た?よく見た?
じゃあ…
10年前と、較べてみて。
ちゃんと、便利になってるでしょう。
ちゃんと、過ごしやすくなってるでしょう。
ちゃんと、素敵な人に出会ってるでしょう。
最近好きになったものだって、あるでしょう。
ほら。
今だってなかなか、捨てたもんじゃない。
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あともうひとつ、わたしが大好きなところ。
イエスタデイ・ワンスモアがね。
完全悪としては、描かれていないところ。
敵とはいえ、ちょっと同情しちゃうようなところもあって。
洗脳されちゃう大人たちの気持ちも、よーくわかる。
ボスのケンが、しんのすけにチャンスを与えるようなシーンもあるし。
逆にしんのすけが、№2のチャコや二人のことを救うような台詞もあるの。
オラ 大人になりたいから
大人になって お姉さんみたいな
きれいなお姉さんといっぱいおつきあいしたいから
意外と、物語が複雑なの。
いわゆる勧善懲悪では全然、ない。
この事実にね…
子どもがいないわたしは、不思議に思ったの。びっくりしたの。
これ、大人向けの話じゃん。
だいじょぶ?子どもにわかるの?
3歳児を育ててる夫婦に訊いたらね。
大人と同じところで、笑うんだって。
大人と同じどころで画面に見入るんだって。
実はちゃんと、伝わってるんだ。
実はちゃんと、わかってるんだ。
「子ども騙し」なんて言葉があるけど。
子どもは全然、騙されてない。
子どものこと、ナメたらいけない。
全然、手を抜けないよ。
むしろ、手強い相手だよ。
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それからね。
「あの時代の空気」の作り込みに、ものすごく力が入ってるんだよこれ。
車とか、テレビ番組の感じとか、家や建物の感じとか、商店街のデザインとか。
細部にまでものすごーく、気を遣ってある気がする。
ケンのヘアスタイルも、チャコのファッションもしっかり60'sだったしね。
さすがに生まれてないから、正誤は確かめようがないんだけど。
こういう、細かいところすべてに気を遣わないと。
「時代の空気」という見えないものは、作れないのかも。
伝えづらいのかも。
音楽がまた、いいの。
あんまり暗いのや説教くさいのは、ノーサンキューだけど。
四畳半フォークっていいなーって思うこと、わたしもときどきある。
特に春!
春って、フォークが似合うよね。
アコースティックな音は、ふんわりした春風によく似合う。
この映画。
音楽に関しては、既存の曲はないんじゃないかなあ?
おどらく、全部書き下ろし。
そしてさらっと、吉田拓郎が出てきたり。
小林幸子がエンディング歌ってたり。
その、どれもがね。
当時きっと、こんな曲が流れていただろうな...
こんな曲が流行って、誰もが口ずさんだろうな...
って思うぐらい、本物流行歌っぽいクオリティなの。
そうそう。そうだった。
映画っていうのものは、音楽も重要なんだった。
っていうのを、クレしんに教えてもらうというね…
ね。細かいところまで手を抜いてない。
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アニメについては、うちプスではこれが3つめのエントリになるんだけど。
「子ども向けアニメの劇場版」というジャンルは正直、今まであまり食指が伸びなくて...
もったいないことしてた。
食わず嫌いダメ絶対!!!
ジャンルは「子ども向け」だけど。
全然、手加減してないよ。
びっしびし、強いメッセージを込めてあるよ。
大人もしっかり、受け取れるよ。
「子ども向け」、侮れないわあ
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