うちのシナプスだって、本気出せば手をつなげる。

ごはんとお酒以外も上手に思い出せるよ!ということを証明する実験。尚、嫌いな作品をdisるほどのカロリーは残ってません。

『サプール写真展(2017)』に関する記憶 - お洒落は何も、特権階級だけのものではない。形から入る成功例を目の当たりにして、元気が出たお話

どうも、あなたのぴのこです。
今回"も"、映画の話はお休みです。

いかんせん、息抜きの方がたのしくて戻ってこれなくなったりするのも世の常だけれども。
映画の話も書くから!
そのうち書くから!

ここ、映画ブログだから!!!

はい、さておき。
今回はこんなところへ行ってきましたよ。
じゃん!↓

dmdepart.jp


尚、このお話は、以下の気分のあなたにおすすめかも。

①貧乏ゆえ、おしゃれなんて夢のまた夢である→Yes
②平和を愛する主張を、もっとスマートに表現できないものかと日々悩んでいる→Yes
ジョジョ立ちを見ると、興奮する→Yes

その心は……


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サプールについては、NHKのドキュメンタリーで取り上げられたりもしてるから。
知ってる人も増えてきたと思うんだけどね。
まず、サプールとはなんぞや?って話から、改めて。

サプールとは
  
コンゴにあるファッションの一種、サップ(SAPE)。
SAPEとは、フランス語で「お洒落な優雅な紳士たち」という意味の「Société des ambianceurs et des personnes élégantes」の頭文字を取ったもの。
 
そんなサップを楽しむ人々を、サプール(Sapeur)と呼ぶのです。
 
1880年から1960年コンゴ共和国はフランスの植民地でした。
そしてフランスのエレガントで洗練された着こなしに憧れたコンゴの人々がサップを始めたと言われています。
 
 
お洒落してかっこよく歩く。それだけ
 
サプールが現れるのは休日がほとんど。
 
1.最高に自分を着飾ってお洒落をする
2.そして街をステップを踏んで歩く
この二つがサプールがする大体のこと。
 
しかし彼らは、これで自分たちだけではなく市民の人々までをも勇気づけるエンターテイナーなのです。
  
(※世界一見栄っ張り?コンゴのおしゃれ集団『サプール』って何者? | RETRIP[リトリップ]より引用)

それでね。
彼らの撮影をライフワークとしている、茶野邦雄というカメラマンがいるんだけどね。
その写真展が東京大丸で開催されているので、出かけてきたという訳です。

撮影OKだったから、自分のスマホで撮ってきたのを以下、貼るけどね。
言うまでもなく、すべての著作権茶野邦雄氏のものです。

スマホで撮ったものなので、端々が歪んでいるし。
変に反射しちゃったりしているけれど。
なんとなくの雰囲気が伝わればいいなーぐらいの参考程度です。
言うまでもなく、こーんな中途半端な画像より、本物の方が500兆倍素敵だから。

写真は、本物を見ると感動するよ。刺激されるよ。
ぜひ、わざわざ出かけて見に行ってみてね。


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サプール=平和の使者と呼ばれる所以なんだけど。
蓋を開けてみるとね。
全然大袈裟なことじゃなくて、単純で。

いい格好をしていると争いは生まれないんだよ。

争わないという神の教えもあるが、単純に高価な服を汚したくないんだよね。

すごいな、これ。
大仰な演説なんかよりよっぽど、個人レベルで腑に落ちるわ。

カメラマンの茶野さん自身も、こう言ってるしね。

自分の中から出てくるものが、装いで違ってくる?
 
茶野: 全然違う。すごくいい人になろうとしている(笑)。
こんな格好をしたら電車では絶対に座れないし、困っている人がいたら、すっと助けてあげられる。
カッコ悪いとか、恥ずかしいとか全然思わずに。
 
ジョベルが「サプールはコンゴ人のものだけでなく、誰でもなれる」と言っていましたが、茶野さん自身がすでにサプールですね。
 
茶野: みんなこういう格好をしたらいいと思いますよ。人から見られたらいい。
そうしたらカッコ悪いことができなくなるし、街中にサプールみたいな人が溢れたら、みんなが親切になりますよ。
平和な社会は、かっこよさの中からも生まれるんです。

  
仕事だってがんばれそうです。
 
茶野: まじめに働くと誇りも生まれるでしょう。
こうなると、オシャレを中心としたプラスの循環、スパイラルが生まれてきますよね。
ただ「かっこよくしたい」と思うだけで。

(※サプール+茶野邦雄 | sotokoto interview | ソトコトより引用)

思い出した!
似たようなことを、前にライムスも言っていたような気がする……。
(※なんでもHIP HOPに喩えて、ごめんねごめんね)

Mummy-D:そうだね。「お前、そんなの正しくないよ」って言われても聞かないけど「ダサいよ」って言われたら考え直すもんね。
 
宇多丸:人を変えるのは、実は「何がかっこいいか」という基準の転換なのかもね。
さっきから話している「美しく生きること」というのも、
たとえば「戦争は美しくないし、人を殺すのは美しくない。僕らにはこの美しい生活があるから、それを邪魔しないでくれる?」という主張で、それは立派にプロテストたり得る、ということだよね。
 
(※RHYMESTERがもの申す 「ダサい」方向に進む現状に異議アリ - インタビュー : CINRA.NETより引用)

にわかな人のことを「ファッション●●」と称する言い方があるけれども。
ときには、形から入ることの方が説得力があるのかも。


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だけどね。
ハイブランドを着こなす人のイメージって言ったらさ。
もちろん憧れも、あるけどね......

「いけすかない」
「かっこつけやがって」
「どうせ俺らのこと見下してるんだろ?」
「自分たちとは違う世界の話だよ」
「こちとらもう、若くないしさー」
「太ってて/寸胴で/足が太くて/センスが悪くて、悪かったね!」

中にはこんなのも、含まれてない?
わたしの中には十分、そういう気持ちがあったよ。
勝手に、僻んでた。

サプールたちを見てるとね。
こんなことは、こちらの勝手な思い込みであったことに気づくの。

加えてわたしたち、黄色人種はさ。
短足コンプレックスがあるでしょう。
ずんぐりむっくりであることに、劣等感を抱いているでしょう。

「黒人はいいよなー。脚も長いし、プロポーションいいじゃん」
「黒人はいいよなー。原色だって何だって似合うじゃん」

って思うこと、あるじゃん。
わりとよくあるじゃん。

そんなことないんだよね……写真を見てると。

お腹が出てる黒人?いますいます!全然います!
短足の黒人?いますいます!全然います!
年いったサプール?いますいます!全然います!

黒人みんながみんな、恵体な訳ではない。
当たり前だけど

お洒落はなにも、選ばれし民たちだけのものではない。
誰しもがたのしんでやっていいことなんだよね。
当たり前だけど


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でもね。
コンゴ国民の平均月収は、3万円なんだって。

サップになりたいなら、まずは仕事を探すことがスタートだよ。

サプールの多くは長大な時間を労働に費やして、洋服を買うためのお金を稼いでいる。
街中にある洋服店で分割払いで購入することが多いが、日本の月賦払いとは真逆のシステムであり、洋服店に全額を入金し終えないと商品を手に入れることはできないそうだ。
 
(※サプールは、なぜ高級ブランドに身を包むのか | 《インタビュー》世界一お洒落な男たちの「美学」 | MONOCOより引用)

しかしながら、写真を見ててもね。
そういう、洋服を手に入れるための苦労とか悲壮感みたいなものは感じられないの。
ほとんど、まったく。

だってね……
サプールたちの、この表情を見てよ。

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このお洋服を着られることのうれしさ。
おめかしできることの喜び。
それで、ぱああああ!ってなっちゃってる。

毎月、シャツ1枚、ネクタイ1本、ベルト1本と少しずつ揃えていく。

わたしね。
今まで、ハイブランドって。
それに見合うような経済力の持ち主しか、着ちゃいけないものだと思ってた。

そんなことないんだよね……。
逆の発想で、よかったんだ。

ダサい格好じゃ始まらない。神様もそう思っているに違いない。

たとえば、ほら。
これは、サプールたちがお洋服のコレクションを見せてくれるシリーズなんだけどね。

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おうちの感じもそうだけど。
家具とか、家電製品とか。
わたしたちが思い浮かべるような「ハイブランドを着るような人」のイメージと、全然違うでしょう。

それから。
わたしたちがハイブランドのお店に入ろうとするときの(または、入れないときの)、卑屈になっちゃう感じとか。
変な緊張感とか、萎縮しか感じとか。
そういうの、全然ないでしょう。

なんて、のびのびしてるんだ!
なんて、堂々としているんだ!
なんて、誇らしげなんだ!

まずは、自分のがなりたい理想像を掲げて。
高らかに宣言して。
あとから、自分を合わせていく。

形から入って、よかったんだ。
帳尻合わせでも全然、よかったんだ。

いつかお金持ちになった暁には…… !!!
って恨めしげに眺めてなくても、よかったんだ。

それなら、いつか、じゃなくて。
今から、でもできそう。
それなら、わたしにもできそう。


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でね、でね。
サップを見てると目につくのが、小物使いの巧さなんだよね。

ポケットチーフ、サスペンダー、ステッキ、パイプ、サングラス、帽子……
すごーく、上手に取り入れていて。
自分らしく、個性的にスーツを着こなすためのアクセントになっているの。

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「日本人のスタイルには、とても感心しています。
 とても面白いと思うし、服の着こなしもいい。
 唯一僕が言えるのは、もう少しだけアクセサリーを取り入れたほうがいいということです。
 それ以外は、大丈夫。
 スープに少し塩を入れるみたいに、ちょっと足すだけ、つけくわえるだけ。
 
 アクセサリーも、既に自分が知っているものを使えばいいんです。
 (自分の胸元を指差しながら)ラペルピンに使った東京タワー、ポケットチーフの白、これら全ては色を持っています。
 アクセサリーをつける行為には、色という技を使うんです。」
 
(※サプールは、なぜ高級ブランドに身を包むのか | 《インタビュー》世界一お洒落な男たちの「美学」 | MONOCOより引用)

これが、本当に巧い。
たとえば、チーフをどれだけ見せるか。
あるいは、ソックスをどれぐらい見せるか。
そういうことも、計算に計算を重ねているように見えるんだ。

ポージングも、めっちゃ研究してる感あるよ。
すると……こうなる。

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ジョジョ立ちは、万国共通なんだ …… !!!(※興奮


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わたしは、ファッションが大好きです。
映画を観ているときだって、衣装やヘアメイクをめちゃめちゃ見てる。

人よりは、ちょっとばかり多くのお洋服を見てきて。
人よりは、ちょっとばかり多くの着こなす/似合う人に注視してきた人生だと思うんだけど。

よく、ほら。
センスが「ある」「ない」っていうでしょう
でも、ほんとはね。
生まれつきセンスがない人なんて、いないと思うの。

センス自体はね、みんなあるんだ。
センスが「ない」って思ってる人はね。
「自分のセンスの使いどころを知らない」ってだけだと思うの。

でね、でね。
「センスの使いどころを知る」ということは、「自分を知る」ということに含まれていて。
ひたすら練習問題を解くとか、筋トレをするとか。
そういったことに近い行為だと思うんだ。

生まれつきセンスがいい人なんて、いないと思う。

まずは白を着こなせるように。それから色を加えていく。空手の帯のように。

着こなしにはたしかに、セオリーめいたものもあるけどね。
たとえば、
・色は3色以上使うな
・柄に柄はNG
・反対色を使うな。補色で何とかしろ
・イエベには/ブルベには、この色は似合わない
みたいな、こういうの。

わたしに言わせりゃ、こんなんね……

F(※コンプラ)!
うんこ召し上がれ !!!

ですわ、まったくもう。

こうした方がこなれやすい、なじみやすいっていうのは事実なんだけど。
こんなもん、一般論でしかないの。
これに縛られすぎると、今度は

・おもしろみがない
・冒険心がない
・マンネリ
・没個性

の壁にぶち当たるよ。

F(※コンプラ)!
うんこ召し上がれ !!!

ですわ、まったくもう。

たとえばね。
この右のサプールなんか、すごいんだよ。

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パッと見、白、水色、赤の3色縛りなのかなー?
って思うけど、よくよく見るとね。

シャツが蝶柄、ネクタイは花柄。
それにチェックのベストを着て、上下ストライプのスーツ
なの。

柄に次ぐ、柄。on 柄。
でも、彼が着ていると全然うるさく感じないでしょう?
個性的って、こういうことなんだと思う。

サップには3色ルールがあるけれど、上級者、プロサプールはそれ以上の色使いができるんだ。
まるで学校の学年が上がっていくようなものなんだよ。

似合う/似合わないというのはね。
単に、その人が見慣れている/見慣れていないである場合も多い
んだ。

普段使わない色柄を使うと、最初は誰だって落ち着かないけれど。
お洒落な人というのは、何度も何度もその殻を破ってきた人なんだと思うの。

でね。そのスキルを身につけると。
「アリ」じゃない色柄を、着こなしをぐいーん!と自分側に引き寄せて。
勢いで「アリ」に見せてしまうことができるの。

わたしは、そういう人を何度も見てきました。
ああ。お洒落だなあ。
個性的だなあ。
わたしがそう感じるのは、そんな人。


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なのでわたしは、色が好きです。柄が好きです。
嫌いな色・柄がなくて。
どうやったら、わたしに似合うように取り入れられるかな?
って考えるのが、大好き。

でも、それでも、
顔だって、決して美人ではない。
スタイルだって、恵まれている訳ではない。
お酒もおいしいものも大好きだから、すぐ太るし。
一目惚れしたお洋服でも、サイズであきらめることの方が多いよ。

だからね。
「ブスのくせに調子乗ってんじゃねーよ」って思われるかも。
「BBAがピンクとか草不可避」って思われるかも。
「ちょ……その脚www その腹www」って思われるかも。

でもねえ、でもねえ。
そんなこと気にしてたら、キリがないよ……。

お洒落は、基本的には自分が気分よくなるためにするものだよ。
わたしがHAPPYであることがいちばんだよ。

そういう当たり前のことにね。
サプールの笑顔を見てたら、ようやく気づいて。

わたしも、たのしもう。
人にどう思われるか?なんて気にしないで。
自分の人生をご機嫌に生きよう。

そう、思ったの。

サプールというのはエレガンスと自由、そして奇抜さが全てだ。

さ。お洒落しよう。